中国からパキスタン 4700m峠越え(8)ガンダーラ(タキシラ)

アジア

概要:

ガンダーラ美術を見ることのできる町タキシラ。ラワルピンディから数10Kmです。
アフガニスタンとの国境に近い、ペシャワールでも見ることができるのですが、現地人もペシャワールは危険だと言いました。アフガニスタンからの多数の難民がいるようです。

紀元前3世紀、ギリシャを出発したアレキサンダー大王はインダス川流域に侵入しました。
アレキサンダー大王がもたらしたギリシャ文明を含む西方文明が、この地の仏教美術と融合し、ガンダーラ美術を形成しました。
この地に到着する前、アレキサンダー大王はイランのペルセポリスに侵入し、ペルセポリスを破壊しています。
この時代、戦の勝者は敗者をせん滅することが常でした。

ガンダーラ美術の当時の遺跡を巡ります。
タキシラ博物館、ジュリアン遺跡、シルカップ遺跡。

タキシラ博物館:

チャーターした車のドライバーは片言の英語しか話せません。
最初、向かったのはタキシラ博物館です。

途中、デコトラに遭遇しました。

タキシラ博物館は小さい博物館でしたが、周囲に木々があり落ち着いた雰囲気です。
警備員が何人かいました。
その中の一人に写真を撮ることができるかと聞きました。
OKです。案内までしてくれました。
ところが、これが食わせ物でした。見学が終了すると、隅のほうに案内されました。
お金の要求です。
もう一人の警備員もきました。館内は撮影禁止ですが、金を出せば黙認のようです。

その表情は、仏教美術とは思えません。ギリシャ的でありながら、でも、ギリシャではありません。
アレキサンダーは、ギリシャから石工を帯同させたとは思えません。
これらは、地元石工との共同作品と思います。
異文化を受け入れる宗教は今では、ちょっと考えられません。

ジュリアン遺跡:

次に向かったのは、ジュリアン遺跡です。古代僧院跡です。

地元住民よりかなり高い外国人入場です。

仏座がいくつか並んでいます。その上に載っていたはずの仏像はいません。博物館にあるとか。
仏座には多くの彫り物があります。

屋外には、屋根がなく、石を積み上げた壁の瞑想場所があります。
悟りを求め、多くの僧がチャレンジしたのでしょう。
悟りを求めた仏教は、一般人には分かり難いものとなり、人心から離れてものになっていったとの説があります。

大小の石の積方に特徴がありました。

シルカップ遺跡:

次はシルカップ遺跡です。ここは、古代都市跡です。

基礎の石積が残るだけでした。

仏舎利塔も土が盛ってあるだけです。

説明文、想像図がありません。勝手についてきた、にわかガイドが説明します。
このガイドは、擦り減ったコインを見せます。自分がここで見つけたと。物売りです。

少し形を留めていた建築物がありました。

これはこの遺跡のハイライトです。西方文明を起源とする、双頭の鷲の彫り物があります。

途中、銃を持った警備員にガードされた、身なりの良い中年中国人夫婦を見かけました。
少し退屈な遺跡でした。

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